坊主風情〜秋空の零

秋晴れの夕暮れ、親切な御仁との人情坊主釣り記




餌探しの出来事

釣り具屋さんに餌を買い求めると磯蚯蚓が売切れであった。
商店で旨そうな秋刀魚を二尾購入。


前浜で釣り開始 

午後二時頃、ふと思ふ、空いてる海岸で投げたいと…
糸井の海岸 で釣り開始。


親切な御仁との出会ひ

「えいえい」秋刀魚を鋏で出鱈目に切っていると、後から釣りの様子を見にきた御仁が、「其れじゃ千切れちゃふよ」と言ひ、車からまな板と刃物を出してきて、付けやすい大きさに切断して候。

御仁は、車に道具はあるけど餌を持ってきていないとの事だったので、秋刀魚を使ってもらい、砂浜に並んで投げた。
2007/10/28 苫小牧糸井海岸 夕方
自分は鰈仕掛け、御仁は鮭仕掛け。

結果は二人共坊主

ざざぁ…ざざぁ…、淡い桃色に滲む秋空。
午後四時三十分までいたけど二人とも坊主だった。


面白い昔話

昔はこの辺の海岸で王鰈や穴子が釣れていた事や苫小牧川に鮭が遡上できない理由など、とても興味深い話しが聞けた。

特に、日本海で蛸が釣れてしまった時に、釣り上げるのを手伝った人に足二本、声援をくれてた人に足一本あげるという暗黙の決まり事があると聞かされ、お裾分けしたら自分には足一本しか残らなかったという話。

ふふ……釣果零の空虚が、いつしか旨味に変わっていた。


坊主を味わう境地

ふわりと漂う潮の香り
目を閉じ、舌の上に転がし味わう
てふてふと漂う儚い泡のごとく
浅く深い、上質なる坊主の余韻を

これもまた、釣行冥利にて候。

沖にある砕波塊の近くで、一台の船舶がずっと何かを釣っていた。
多分、ああいうのを根魚苫小牧沖船舶釣りっていうのだろう。

大きいの釣ってるのでしょうな。
羨ましい。




【釣行情報】
日時:二千七年十月二八日 十四時から十六時三十分迄
場所:糸井海岸
釣果:零(上質な坊主)
仕掛け:投げ竿と鰈仕掛け(親切御仁:鮭仕掛け)
餌:秋刀魚(切り身使用)



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